詩人:詩奈
ふわふわ浮かぶ雲の中
公園で二人
緑の広がる空の下
点々と咲く白詰草
ねぇ知ってる?
この白い花ってヨーロッパの花なんだって!
自慢そうに話しながら彼女の目は
花の冠を作るのに夢中だ
静かで暖かな天気のいい午後
ずっと二人でこうしてられたらいいのに
溜め息がこぼれそうになったそこに
彼女は真っ白い冠をのせる
笑顔で持ち帰りたいと言うから
枯れてしまうとは言えなかった
朱くなった空に寂しさを感じながら
二人は手を繋ぎ帰る
しおれ始めた白詰草に
夕日の影の彼女は
まだ気づかない
2005/05/11 (Wed)