詩人:秋庭 朔
男はまるで陸地。直ぐに熱くなり醒めるのが早い。女はさながら海。温まるのが遅く余熱は醒め難い。しかし、それは肉体的にであって精神的には真逆である。朝夕一度ずつ風が黙り込む。陸と海が戯れ睦み合うのに疲れて暫し微睡む時間。武装を解いた彼女が微かな寝息をたてながら凪いだ東雲の海の様に静かに横たわっている。頬杖つきながらそれを眺めてる一時がぼくは嫌いじゃない。