詩人:どるとる
本当のことなんて何ひとつ無いこの世界で
僕たちは歌うのさ
ありきたりの正しさを
木の葉を隠すなら木の葉の中よろしく
悪を隠すなら悪の中っていうような
世の中を指差してこれが悪って言えたら
僕はすぐ悪者になってしまうだろう
まるでよく出来た仕組まれた茶番劇
最初から僕に 希望なんて無いのさ
思い描く理想的な世界には
誰ひとり悪者なんていないっていうのに
僕たちの知る世界はとてつもなくずる賢くて
好きになろうとすればするほど裏切られるんだよ
だからこそ僕たちは正しさを歌うことをやめてはいけない
だから今日もはげしい雨にうたれながら 冷たい風に吹かれながら 歌うのさ
ありきたりの正しさを。