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[185238] あの夏を忘れない

詩人:どるとる

覚えていますか
誰の心の奥にも そっと刻まれてる
絵日記の中に閉じ込めたあの夏を
蝉しぐれの彼方に聞こえるあの笑い声
そっと瞼を閉じてみれば 今も少しも色あせない夏を呼び覚ます

夕暮れあぜ道を駆けていく
麦わら帽子の少年
虫取り網を手に 暑さなんて気にもせず
ただとびきりの笑顔をたたえて
きらめくような素敵な時間を 僕らは生きていたんだよ
何ひとつ 忘れていいことなんてない
流した汗の一粒さえも 思い出のかけら
僕はあの夏を忘れない

吊した風鈴揺れる
なんとなくそれを眺めては微笑んでる
記憶のずっと奥にしまい込んでる
万華鏡のような色とりどりの夏模様
青い空に入道雲 何かを追いかけていた そんな気がするんだ

僕は何を追いかけていたんだろう
胸の奥にいる少年に
そっと 聞いてみるけれどわからない
二度と消えない 何かを刻みつけたくて
日焼けのあとが 消えてしまうとなぜか
胸の奥が シュンとなったよ
すべては思い出せない それ程遠く遠い
道のりを歩いてきたから
それでも、あの夏だけは忘れない

「思い出」という列車に飛び乗って
懐かしいあの頃の僕に会いに行こう
もう一度あの頃のときめきを感じたいから

夕暮れあぜ道を駆けていく
麦わら帽子の少年
虫取り網を手に 暑さなんて気にもせず
ただとびきりの笑顔をたたえて
きらめくような素敵な時間を 僕らは生きていたんだよ
何ひとつ 忘れていいことなんてない
流した汗の一粒さえも 思い出のかけら
僕はあの夏を忘れない。

2014/06/15 (Sun)
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