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詩人:高級スプーン似
ご自由にお取り下さいと
張り紙された聖書の入ったカゴ
街中に置かれたそれには
目もくれない忙しない人々の朝
終電間際の時間
カゴの中や周囲には
空き缶や煙草の吸殻や
紙くずが散乱していた
それを横目で見て思わず
笑ってしまった
笑えなさすぎて
足早にその場をあとにした僕も
いじめの第三者みたいなものか
神は噛み殺された
頭の悪い猿たちに
信じる心のない
中でも心のないマナー違反者のゴミ屑共は
世の中に笑えないほど散らばっている
これがありふれた光景だと言うなら
「Oh my xxx!」
信じる者も救われないぜ
聖書を猿に読んでほしいなら
せめて手渡ししないとね
誰もいなけりゃ
ゴミ箱と間違ってもおかしくない
カゴの中
最初に置かれていたものでさえ
ゴミだと思って
空き缶を捨てたりする
おかしい人たちの集まる世界だ
信心深い隣人は
それでも説き続けるのか
救われない話だな
救われないからこそ
救われようとして
救いたくて
救済を叫ぶのか
祈りの先に神はいるのか
とりあえず
街のゴミでも掃除しようか
他に私にできることは
黙って土に還るくらいだ