詩人:トケルネコ
供養しんさい
苦悩せんために
祈りんさい
痛みへのはなむけに
泣きんさい
無くしたもの全てのために
あんたがオギャア
産まれた頃に
みんな普通に死んでたんよ
誰もがオギャア
泣き喚いては
疑う涙を流すんよ
どこ行くん?
冬の夜中にサンダルで
耳に巻いた包帯に
まだ真っ赤な膿が滲んでるのに
なにを急いて掘っとるの?
傷口にいくら砂を詰めても
哀しいだけじゃけ…
淋しいんか
星が見えんのか
それだからいっそ、消えたいんか
認めんさい
見つめたくない小さな影を
捜しんさい
彷徨ってばかりの月日の日誌を
かざしんさい
飾らない暗夜に灯す震える火の蝋燭を
あんたがオギャア
泣いてる頃に
あんたは再び産まれてくるんよ
描きんさい
エゴにまみれた汚れきった人生を
生きてみんさい
もう一度