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詩人:けむり
愛してくれ
つかの間の命を謳歌している
やがて無に還元されるこの身ならば
それまで枯れることなく咲き誇ってやるぜ
なぜ産まれたのだろう…
母さん
ぼくはいい子供ではなかったね!
期待に応えることを望まれながら
ぼくはあなたの掌からこぼれ落ちてしまった!
あなたに愛されたかったのに
あなたが優しく包み込んでくれるなら
ぼくはあなたの夫を亡くしてさえあげられる
この身の半分の血を途絶えさせてあげられる
それほどに想っていた
なのに!
産まれた者は目覚める
自我に
この胸の魂に
あなたの望むままには生きられないよ!
だってぼくはぼくで考える
あなたの願うままには育てられない…
ぼくは自我を信じる
この体内を駆け巡る感情を認める
なぜなら それこそが
ぼくであると知るから
そして気づくのです
あなたが飛び立たせてくれない
そしてぼくはあなたを失えない
ならばぼくはあなたを駆逐するのみ
あなたを乾いたスポンジになるまで吸い尽くし
あなたを乗り越えてみせる
ぼくはわがままを言わない子供だったね
ぼくは首を横に振らない子供だった
だが すでに
もうあなたの手に負える子供では ないんだ!