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[99468] 死ぬ気で頑張ってみては?

詩人:さんだーそにあ@

気がつくと

私以外の人類は

消えていた



私はどうしようもなく

ただただおもむくままに

近くの演劇ホールに向かった



「・・死のう」

私はそう決心して

誰もいない舞台へと上がる



建物は崩壊寸前だったけど

まるで私を待ってくれていたかのように

一台のグランドピアノは在った



私は舞台の真ん中までピアノを運んで

誰もいないホールに向かって一礼した

拍手は当然なく



椅子に座り

上を見上げて深呼吸

崩れた天井から月が見えた



演奏が始まる

その調べは魂の輝き

最後に相応しい美しく儚い曲



曲は中盤に入り激しさを増す

その音響と相なって

世界が揺れる



終わりが近づくと共に

月の光は徐々に

細くなっていく



そして曲は終わる

もはや光は無く

私は静かに閉じる










「いやー、今回の彼女の曲はまた一段とよかったですね」

『あぁ。人間は本当に死ぬ気で頑張れば何でもできるのさ』

2007/04/02 (Mon)
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