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詩人:チェシャ猫
誰かが描いた宝の地図なんて
両手でそっと破り捨てて
僕らはただ
形にできない何かに手を伸ばす。。
幼い頃の僕らには
目に映るすべてが愛おしくて
泥だらけになってもまだ
君の背中を追っていた
先行く君の横顔は
オレンジ色に染まって 少し大人びて
置いていかれないようにぎゅっと・・・
君の服の裾 握り締めた
広告の裏にクレヨンで
「好きだよ」だなんて描いた紙ヒコーキは
星空の中へと消えていったみたいだ
君に届けと願いを乗せて
僕には時計の針は止められなかったみたいで
いつの間にか君の手を離してた
この手にはただ宝の地図の欠片だけが残り
この心だけ まだ君の背中を追っていた
あの日の紙ヒコーキは君に届いたのかな・・・