詩人:どるとる
心が静かに
黙り込むとき
私の中に
さざ波が押し寄せて
僕の言いたいことを
なんとなくさざ波が
僕の代わりに
こたえてくれる
ざあざあと
ざあざあと
潮が満ちてゆく
なんにもない
誰もいない夜の海辺に独り佇んで波の音を聴いている
そして いつの間にかこの胸を満たす名前のない感情
私を包み込むやわらかな光
世界は涙でいっぱい
夕暮れどき
千切れ雲追いかける
何ひとつ僕を邪魔するものはない
ただ、風が僕に言うんだ
「君は弱くなんてないよ」と
雨なんて降ってない
それなのに心は
ずぶぬれだよ
なぜだかわかるかい?
言葉じゃ伝わらない
伝えきれない
ささいな感情の揺れ
そんな気持ちを
空はわかっているように
世界は夢でいっぱい。