詩人:どるとる
わけもなく泣きたくなる
そんなときがある
そんなときには悲しいのにうれしいんだ
だって生きてることを確かにするには
悲しみを感じることが皮肉にも一番手っ取り早いから
ああ 声を押し殺して泣いている
君の背中が泣いている
どうしてこんなにも悲しいんだ
だけど悲しいときほど僕は生きている
いつものあの夕空がどうしてこんなに
こんなにもきれいに見えるんだろう
心までだいだいに染まる染まってゆく
街明かりともる帰り道
俯いて歩いてる君は独り
さっきはまだ遠かったのに夕闇が迫ってる
何もわからないまま子供のように
ただなすがまま積み上げてたよ
時間という積み木を
ああ 生きていることが悲しくて
でもうれしくて
ごちゃ混ぜの気持ちだ
ああどうしてこんなにも人の優しさが心に染み渡ってゆくんだろう
独りじゃないとわからせてくれたのは強がって傷つけてた君だった
本当に僕を思う人は僕のすぐ傍にいた
どうしてこんなにも悲しいんだ
だけど悲しいときほど僕は生きている
いつものあの夕空がどうしてこんなに
こんなにもきれいに見えるんだろう
心までだいだいに染まる染まってゆく。