詩人:どるとる
止まっていた景色が動き出すような
或いは命の供給が流れ出すような
そんなからくりで
物語には始まりと終わりが付き物だと
勝手に思いこんでて
見えてきた現実に
少しめまいを覚えました
止まっていた時間が進み出すような
或いは久々の暑さに汗が流れ出すような
そんな仕上がりで
飛ぶ鳥を見てなぜ飛ぶんだと言うような
意味の意味を問い質すような無意味さに
かるい怖気を感じました
まるでそれが当たり前みたいに
人が蝉の抜け殻みたいに屍をさらす
そんな混沌とした世の中でも救いはある
聖書の中に 人混みの渋滞の中に
ベストセラーの小説の前書きに
消えていく本当の声
或いは願い僕はちら見することも出来ない
止まっていた景色が動き出すような
或いは命の供給が流れ出すような
そんなからくりで
物語には始まりと終わりが付き物だと
勝手に思いこんでて
見えてきた現実に
少しめまいを覚えました
子供返りしたこの世の中に
浅い絶望をかいま見ました。