詩人:どるとる
目の前にあるいくつもの愛を
僕らは見過ごしていないかなあ
音になってやがて届く声も
ふれてはじめて気づくぬくもりも
形がないだけでちゃんとした愛なんです
物語のページをめくるように
日々は流れていくよ 風みたいに
ほらまたページはめくられていく
そして跡形もなくなって
また誰かの元気な笑い声が青空の下 こだまする
人に紛れてしまうとわからない
途端に心がどっかに行ってしまうよ
人を思いやることを知って
同時に人を憎むことも知って
いつの間にか なりたくない大人になる
物語のページをめくる僕の手が
季節の色にあざやかに染まる
ほらまた回り回って元どおり
やがて山の頂きが見えてきて
もうそんな時間かと自分の命を見つめる
空に流れる雲をただじっと
何も考えずに見ていた今日の僕は
多分このままで十分幸せなんだろう
だからちょっとくらい悲しくたって
平気だよ大丈夫 心配しないでね
物語のページをめくるように
日々は流れていくよ 風みたいに
ほらまたページはめくられていく
そして跡形もなくなって
また誰かの元気な笑い声が青空の下 こだまする
子供は遊び野を駆け回り
大人は愛の中に愛を見る。