詩人:どるとる
短編映画の中の物語 ページを捲る
誰かの手が明日を連れてくる
広がる箱庭 ジオラマみたいな街並みの夜が明ける
僕は相変わらず 空ばかり見ている
そして雲にばかり憧れて ありもしない自由を欲しがる
僕の心の中はがらんどう 空っぽさ
すべての言葉をなくして 無の中に
立ち尽くしたまま
僕は独りきり つぶれた店のシャッターの前
いつ降り止むかもわからない雨が止むのを待ってる
青春群像劇の途中さ
恋は盲目だってさ
見えない 何も聴こえない
何が正しくって何が間違いなのかも
行きたい場所に 心は駆け抜けていく
僕は何ひとつ わからないままで
好きなんて言葉も言えないままで
さまようばかりの心を 持て余した
心の壁面を藍色に塗りつぶして
すべてごまかしてた
僕は夜の外れ 最終電車の窓から見える
見慣れた景色を ぼんやり眺めながら 君のこと考えてた
すべての言葉をなくして 無の中に
立ち尽くしたまま
僕は独りきり つぶれた店のシャッターの前
いつ降り止むかもわからない雨が止むのを待ってる
君と二人で。