詩人:どるとる
夜が生まれるのは朝が終わるからだよ
それは人の生き死にに似ています
名前のないものに名前をつけるなら
夜はなんだろう 朝はなんだろう
そして僕や君はなんだろう
見えない 聴こえない でもここにたしかにある
そんな何かわからないものにいつも心を寄り添わさせていたいな
暗いばかりで見えなかった夜は僕の中で今少しずつ形になる
たとえば君の笑顔に
君の手のひらのぬくもりに
瞼を閉じるとき 生まれる闇より暗く
悲しみに満ちた夜を僕は知っている
抱えた傷跡は見えないから
人は傷跡の前を通り過ぎてゆく
そしてまたひとつ僕は死に近づく
さわれない 匂いもしない
だけど いつも見つめてる
愛なんて名前の大げさなものさ こんな情けない僕を抱きしめてくれる
やさしい闇が今僕の瞳の中を 照らしたら光よりも輝く
たとえば君のまなざしや君のなんでもない声が
痛みを 包み込んで
生きてるって当たり前なことを特別にしてくれる 魔法みたいに
見えない 聴こえない でもここにたしかにある
そんな何かわからないものにいつも心を寄り添わさせていたいな
暗いばかりで見えなかった夜は僕の中で今少しずつ形になる
たとえば君の笑顔に
君の手のひらのぬくもりに
たとえば誰も知らない誰かの夜のかたち 今の僕の心のかたち。