詩人:どるとる
明日の靴音が聞こえてきたよ
かわりに今日の靴音が遠ざかってゆく気がしたよ
僕はそんなふうに毎日日々を繰り返して
いつか死んでしまう
予定ではそうらしい
悲しいことが
あまりに多すぎて
夢だとか理想だとか
言ってられやしない
なら僕はただ生きていくことにだけ精一杯になろう
死に物狂いで毎日生きてるってだけで苦しいから
生きるってことは何も夢や理想を叶えたり正しいことをしたりするだけがそうじゃないさ
みんなは口をそろえて首を横にふるけど
そんな奴らに何がわかるってんだ
わかったような口を聞いて
靴音が遠ざかる
そして
新しい明日が来るよ
夜明けがすべてを塗り替えてさ
また僕の瞳に新しい
太陽が昇ったよ
ああ こんなふうに毎日はただ風のように過ぎて 文句だとか皮肉だとか言いながらも結局は時間が来ればみんな死ぬんだろう
なんて簡単な物語だ
なんて壮絶な物語だ
僕は悲しく思う
死ぬまで
そんな気持ち
ぬぐえない
雨は降る
僕の知らないとこでも
雨は降る
心の中までも
今日もそんな悲しみにすべての人々が嘆くだろう
ぬぐえない
悲しみと
ぬぐえない
闇を
抱えたまま
人は今日もかぎりなく生きてる
この地球の上に立ちつくして。