ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーンの部屋 > 舟幽霊の柄杓 > 投票

高級スプーンの部屋  〜 「舟幽霊の柄杓」への投 票 〜

  • 高級スプーンさんの「舟幽霊の柄杓」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[73864] 舟幽霊の柄杓

詩人:高級スプーン

無力でもいい
助けようとする
気持ちが大切なんだ
彼は開き直り
笑顔で
手を差し伸べた

近所に住む
小さな男の子
いつも元気いっぱいで
友達と外で遊ぶのが
好きだった
ある日突然
姿を消した
それから

毎朝電車で見かける
女子高生
部活は吹奏楽部
担当はフルート
ケーキのモンブランが
好きだった
ある日突然
姿を消した
それから

公園で生活をする老人
資産家の息子だった
仲間同士で酒を呑み
他愛のない話をするのが
好きだった
ある日突然
姿を消した
それから

二つ年上の彼女
付き合って二年
同棲して半年
泣いたり笑ったり
色々あったけど
これからも
宜しくなって
誓ったんだ
僕は彼女が
好きだった
結婚間近
姿を消した
それから

それから
無事保護された
学校の裏山で
迷子になったらしい

それから
無事保護された
親とケンカして
彼氏の家に居たらしい

それから
焼死体となって
学校の裏山で
見つかった

それから
別に男が出来て
家を出たんだと知った

近所に住む
小さな男の子は
たまたま見ていた
数人の大人達が
裏山に何かを
埋めているのを

犯人は
特定出来て居らず
依然捜索中で
現場には
犯人の物と思われる
フルートが落ちていた

水も人もスクエナイ
底があって底がない
嘘のようなホラ話

差し伸べられた手は
半透明で掴めなかった
彼を見ると
笑っていた
生気のない顔に
満面の笑みを浮かべ
手を差し伸べていた
僕は落ちていった

そういえば
彼女も好きだったよな
フルートが

2006/05/03 (Wed)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -