詩人:どるとる
僕は深い海の底で
祈るみたいに
何かを待っている
光がつくる
水面に描かれる絵
輪のように
僕らの空を飾る
僕は少しずつ
ありふれて
道端に落ちてる
小石みたいに
同じ群れに混ざった
いいさ 見た目なんてつかなくても
僕は僕だ それだけで何も変わらない
いいさ 願い事が叶わないと知っている
そんな世界だと どこかで知っていたよ
きれいなものは
数少ないから
指折り数えられるほどのその小さな美しさを僕らは逃がさぬように抱きしめる
いいさ あふれかえる人の中に愛がなくても
僕は 僕自身の手で愛をつくれる人になる
いいさ 希望がいつまでも見えなくても
僕が光になって誰かの闇を照らすから
夜の中に光る目がひとつ それは深海魚の目に似てなんて頼もしい。