詩人:甘味亭 真朱麻呂
覚えているのだろうか
君は私を記憶から消し去ってしまったの
それとも出逢うときが遅すぎたのか
時はあの頃から流れすぎてしまった
何度も何度も繰り返した問いは
いつになっても返る気配すらない
愛しているからこそ
憎しみは増し
欲望は尽きず闇は深くなる
ただ一人の心の理解者だった君を失った僕がもうこの街に居残る理由はない
裏切りの街に灯る明かりは
冷たく悲しげで僕には辛い思い出でしかないから
僕は故郷を捨てざるおえなかった
今はもう遠い昔話。