詩人:どるとる
愛とは本来醜いものなんです
綺麗なものを求めているならば
愛の素顔を知ったとき人は
すぐに愛を否定するだろう
汚いところや 醜い部分まで
愛だと気付けたら きっと
触れられずにいた誰かの傷跡が
だんだん愛しく見えてくる
人に愛されようと思ったら
人を愛することをまずは知らなくちゃ
愛することもまだ知らないうちから
僕らは 知らず知らず誰かを愛していた
そんな事に気づいたとき僕の中に
流れる血潮がなんだかたまらなく美しく思えた
愛とは傷だらけで存在している
新品みたいな傷ひとつない愛なんて
愛に似たまがい物でしかないんだよ
そんな事に気づくのが少し遅れた
誰かの弱さや脆さをあざ笑って
馬鹿にしていた僕は弱い人間だった
自分だってすぐに泣くくせに
他人の弱さを見ると指を差したくなる
人に優しくされたいと思うなら
自分がまずは優しくならなくちゃ
人を愛するにはどうすればいいの
その答えは 人に聞いてもわからない
皮肉にも人を傷つけてはじめてわかる
他人の痛みと自分のの痛みに違いなんかないんだと
自分にしかわからない痛みを 孤独に抱えたとき
人は 気づくよ これが他人の痛みだと
あなたも同じ痛みを抱えて生きてるんだね
人に愛されようと思ったら
人を愛することをまずは知らなくちゃ
愛することもまだ知らないうちから
僕らは 知らず知らず誰かを愛していた
そんな事に気づいたとき僕の中に
流れる血潮がなんだかたまらなく美しく思えた
死にたいくらい悲しいことがあっても
それでも生きている人たちが 誇らしく思えた。