詩人:どるとる
何かを 悼むように
何かを 弔うように
夜は過ぎていく
焼ける 魂 香ばしい匂いが明日へ運ばれていく
誰かを 看取るように
誰かを 憐れむように
魂は散り散りこの世に生まれ変わる為の 長い旅へ出る
ああ 生まれてはまた死にゆく そんな当たり前を 笑うな
僕は ゆく 何もない
真っ白い園へ
花々も咲き乱れ 悲しみのない空へ
僕は ゆく 僕だけを愛してくれる 人へ
会いに行く 命などもう 意味はない
食らいつくした日々の前菜の皿の上
まだ苦手な野菜が 残ってる 指差すのは
もうひとりの僕だ
最初から 僕らは 死んでいるのも同じだ
一本道の平行線を辿った先には終わりが待っている
くたばるために
息をする
消えゆくために
存在する命
安らぎなどは
巧みなまやかし。