詩人:夕凪
どこかで誰かが
爪弾くギターに
切ない気持ち
持たれかけて
人知れず
瞳を潤ませてる ‥
あぁ ‥
なんて優しい
あぁ ‥
なんて なんて ‥
とれかけてた
心の瘡蓋が
ポロッと落ちた ‥
頑なに結んでた
靴ひもまでが
スルッと解けた ‥
歩き出せるかな ‥
靴ひもを
程よく結び直すと
月明かり そっと
降りてきて
足元を照らした ‥
どこかで誰かが
爪弾くギターに
今夜はずっと
持たれかかって
夜風に涙を
さらしてる ‥
夜の闇が終わる頃
やがてギターは
鳴き止むだろう ‥
きっと もう
その音は
聴こえないの
だろう ─‥。