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リコの部屋  〜 「えん」への投 票 〜

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[77322] えん

詩人:リコ




誰かが散らかした
21色の色鉛筆
足音は風になり
コロコロコロと
回り出す




誰かが侵入した
白で統一された部屋
赤くなり黒くなる
誰かはまるでペンキとハケだ



座りこんで
誰かを見上げていた




右腕だけが肉体意識から放れ
私を見てる
笑ってる



壁に突き刺さった
白い色鉛筆
誰かはそれを知ると
部屋を出ていった




けれど
誰かはすぐに部屋に戻って来た




さようならを
告げにきたのだと
その時誰かの声を
初めて聞いた




私は
こんにちはとだけ
言った




誰かはあなただ
誰かは君だ


君は私の右手の爪と指の隙間から
ヒュイと吸い込まれるように
右腕に入りこんだ



私にとっての
22人目の君は
22本目の君になる




入口がなかった
この部屋は
君が作った
扉によって



私はようやく
朝と夜を見る




その回転が
その相対が
その普遍が
その無常が




美しいと
私は知る




右腕の中で生きる君が
知っていたよと
語り出す





2006/06/10 (Sat)
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