詩人:甘味亭 真朱麻呂
橙がかる空の色
高くそびえたビルの屋上から見上げる
夕焼け空の向こう夕闇が迫る
ふいに悲しさと切なさが入り交じったような何かが胸の奥で切なげなメロディーを奏でている
此処から見える景色はどれも悲しげで
行き交う人は蟻のようにあちらへこちらへ忙しく蠢いている
僕の中で生まれた
このどうしようもない不安の影は日に日に濃さを増してゆくばかり
胸の奥断ち切れぬ想いをぶら下げたまま今日も日暮れへと向かっていく
徐に吐き出したため息が都会のくすんだ空気に混ざって
空高く白く煙り消えていく
やがて時間は淋しい夜をはこんでくる。