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[97148] エピローグ(前半)

詩人:甘味亭 真朱麻呂


もう何度同じ問いかけを繰り返しただろう
いつになっても明確な答えは見えてこないまま
僕は気づけば大人になってしまっていた
語るにはあまりにも短すぎる人生の儚さを切に感じた

不意に窓の外を眺めてみた
鮮やかな眩しい光と共に朝陽が空高くへよじ登っていく
まるでそれはあの頃と何ひとつ変わらないまま
何事もなかったかのように朝は予定通りに訪れた

憎しみも妬みも嫉妬も裏切りも
数えるのも嫌になるくらい抱え込んだ
光ばかり背負って人は人生という長い道を歩けない
ときには闇を抱えることもある
人はそんなに完成された生き物じゃないんだ
ときには人を裏切ったり傷つけたりしてしまう
どんな人にもいえること
どんな人でも持っている人間の暗い影の部分

一日は始まりと終わりがあり
否が応でも終わりは訪れる
それがこの世の決まりだから
だから人は終わってしまうその前に理想ややるべき事を果たそうとする
それは夢だったり人によって様々だ
後になって悔やむことないように
人はできるだけ未練を残さないよう都合の悪いことはなるべく忘れよう忘れようとする
それが人間の性だ

2007/02/27 (Tue)
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