詩人:どるとる
人であるという 確かな証を見せてみろ
通り過ぎる人たちは人の形をしていない
醜い化け物を 猛る獣を 内に飼っている
愛が 育った 庭には誰ひとり触らないで
汚れることを知らなければ 人にはなれない
だから 愛は 痛みを伝って 届く まだ無傷の心に
人になるために 生まれてきたなら
人になるために 傷つきなさい
人であり続けるそのために雨の冷たさから 人の痛みを読みとりなさい
生まれた瞬間から 人は人ではないんだよ
生きていく中で人というものを知っていくんだよ
人と呼ばれてる 人が人でなしに見える
誰かの心が 僕の心を映す鏡になるなら
僕の心も 誰かの心を映す鏡になるだろう
きれいに育った 子供は豊富な知識を持っている
きれいごとのような何かのマニュアルのような 生き方をしているおまえだが
ほらね 涙は まっすぐに流れて おまえに人だと教える
人と人とが 重なり合いながら
お互いの邪悪さを 打ち消し合う
人でなしと 蔑まれた時 胸が少しでも痛むならまだおまえは人だ
汚れてしまった心はずっと汚れたままだけれど
人らしくありたいと望むなら 先ずは善と悪を見極めろ
人になるには人の身になって痛みを 知って人を思いやれたときはじめてなれる
人を傷つけても何ひとつ得られない
でも不思議に人の為になれたらとてもうれしい
人になるために 生まれてきたなら
人になるために 傷つきなさい
人であり続けるそのために雨の冷たさから 人の痛みを読みとりなさい
生まれた瞬間から 人は人ではないんだよ
生きていく中で人というものを知っていくんだよ
そうして 知り得たものが 君という人間を形成するんだよ。