詩人:千波 一也
たとえば少年の溜息をたとえば少女の独白を空は拾いあげるでしょう空にはみんなの星があるたとえば背広の焼酎をたとえば情婦の香水を空は拾いあげるでしょう空にはみんなの星がある今夜あたり、入浴の頃合です星は永遠の輝きとは限りませんのでですからどうぞ今夜の雨には御容赦ください夜明けの、澄ました雨上がりなんとなく紫陽花が物知り顔なのは空から湯水を浴びたおかげですみんなの思いを拾いあげてうっかり湯水に溶かしたおかげです