詩人:どるとる
跡形もなく 消える命に意味なんかいりません
どうせいつかは 何もかも影さえ残さず消えるなら
どうせどうせと繰り返す僕らはいつもあきらめた顔で
生きているという現実からも背中向けて逃げてる
名前なんかいるのかなあ
ただの悲しみや喜びや愛に
そもそもこのわからない世界に
ほつれていく ほどけていく
ほころんでいく物語の途中に生まれた
名もない命の生き様に 興味など無い
毛糸玉のよう 限りある猶予の中で生かされて
ここにある命さえも影を見なければ 信じることさえ危うい
どうせどうせと繰り返す僕らはいつも投げやりで
自分の命にさえも向き合えず己の存在を 宙に浮かせている
変わらないこと 変わってゆくこと
ただの ひとつの存在にも付加価値がある
薄らいでいく色あせていく
忘れられていく記憶の中わずかに灯る思い出
肌身はなさず抱きしめる
見えないままの明日
見上げた空は悩みを深めていく
途方もない 旅路の果てに たとえば続きがあるのなら
終わりも 悲しいだけでは無いはずだ
名前なんかいるのかなあ
ただの悲しみや喜びや愛に
そもそもこのわからない世界に
ほつれていく ほどけていく
ほころんでいく物語の途中に生まれた
名もない命の生き様に 興味など無い。