詩人:どるとる
大切なものくらい
肌身離さず
持っていろよ
目には見えないものでも
移ろうようにたゆたうように
季節の中を ただよう舟は
川の流れに沿いながら先を急ぐ
君は この世界に咲いている花のひとつ
それを忘れないで 君はこの世界にたったひとりの存在なんだ
自分の存在を疑ってしまう君に言うよ
自分の存在を自分で否定してしまったら
誰が自分の存在を認めてくれるというんだ
風が吹けば跡形もなく消えてしまうような命だ
いつ何時 なくすかもわからない脆い命だ
だからこぼさぬように大切に守ってて
自分にとって 自分にとって 一番大切なはずの宝物を
開けた窓から見える景色は
変わり映えもなくただそこにある
拒むかのように ためらうように
時間を旅する 人は命を見つめて
「不可解」と首を傾げる
君はこの世界に必要か それとも不必要か
それを考えたら 多分きりがないだろう
だから時にいい加減に生きてみる
命を自分で投げ出そうとする君に言うよ
本当にそれでいいの?まだ思案が足りないな 生きてたって偉くもないけど
死んでしまったら そこで全て終わりだよ
「してはいけない間違い」だって気づくのが先さ 命はそれ程軽くはない
誰にとっても 変わらず 一番大切な宝物だ
自分というものに生まれたときから
自分は自分なんじゃないよ
自分というものに気づいたときに
自分ははじめて自分になる
そこには 一切の既成概念は無く
ただ少しばかりの気づきがあるだけだ
風が吹けば跡形もなく消えてしまうような命だ
いつ何時 なくすかもわからない脆い命だ
だからこぼさぬように大切に守ってて
自分にとって 自分にとって 一番大切なはずの宝物を。