詩人:どるとる
夜の中に目を凝らせば 闇の中に浮かぶ光
朝の中に耳をすませば無音の中に息づく音
それをハナから無いと決めつけるには
甚だ愚かなことだから 僕はありえないを信じる
あるはずもない景色や実体のない感情に寄り添うように僕は生きる
それは この世界にそっと花開いた命
様々に形を変えながら存在している
たとえば 神様が歩く
スピードに合わせて回る時計のあとをひたすら追いかける
僕らの足取りはやがて大きな渦の中へと消えていく
そして静けさだけが残る世界には全ての命はもはや跡形もない
そんな避けられない未来を僕たちは知らない。