詩人:どるとる
まばたきするたびに変わってゆく世界
さっきまでの世界はもうどこにもない
人はいつもその瞬間その瞬間を生きる
どこにもないさ
答えなんて
うたかたのうちに 消える 命だから
せめて最後はただ静かに眠るように
いくつもの 夜が 過ぎていって
いくつもの 朝が 過ぎていって
世界はただ同じことばかり繰り返して
いつもの僕の部屋に朝が来て ただそれだけを全てと呼ぶんだ
つかの間の夢のように消えてゆく世界
今日の今日は今日だけど明日の今日は
今日だけど今日じゃないよ わかるかな
少し生きるのには
痛みがついてくる
うたかたのように 終わる物語だけど
本を読むようには 簡単にはいかない
今日が過ぎてもまだ
明日には今日と同じ世界で今日を生きる
猫はただにゃあと鳴いて犬はただわんと鳴くよ ただそれだけが世界の掟のように変わらないままだ
たとえば 意味もなく これといったわけもなく
明ける夜 それはまるで見えない誰かが次のページをめくったように見えたんだ
想像はきりもなく まだ続く
うたかたのうちに 消える 命だから
せめて最後はただ静かに眠るように
いくつもの 夜が 過ぎていって
いくつもの 朝が 過ぎていって
世界はただ同じことばかり繰り返して
いつもの僕の部屋に朝が来て ただそれだけを全てと呼ぶんだ
大切に抱きしめるんだ。