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詩人:雨蛙
宵闇に浮かぶ月
薄く色付いた空に
力なく輝いて
射す光りは淡く
霞んでしまうけれど
かざす掌を確かに
照らしている
時の進む度
月は力を増し強く輝く
水面に映る
その姿を白銀に染め
風はさざ波をたて
月は身を揺らすように
漂わせる
水面に揺れる月は
手を伸ばせば
届きそうな程に近く輝く
けれど掴み取ろうと
身を乗り出せば
湖水の中
飲み込まれてしまう
水面に揺れる楓の様に
漂いながら
見上げた月は
真上に高くとても高く
輝いていた
肌を刺す様な冷水
その痛みさえも
忘れてしまう程
美しく妖艶に
僕の身体を照らした