詩人:禪稀
力なくこの糸にかかる蝶達は
皆、弱々しく泣いていた…
信じていた者からの裏切りや心ない言葉に傷ついて
地にいることが辛くって
蝶達は自ら此処に翔んできた
此処はそんな蝶達を何もかもから解放する場所で
“死”へと向かう門―
『此処にきてしまった蝶達よ‥ “死”という名の楽園へ 美しく翔びたってゆくといい―‥』
何もかもから解放されるあの場所へ―
我は此処で蝶達を見送る者で
蝶達を誘う者―
最近 我が誘う蝶達が多すぎる
その中には小さな小さな蝶もいて―
蝶へとなる者がこれ以上増えないことを
我が独り此処で願ってる…