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詩人:どるとる
僕は通り過ぎていく夜を見つめている
誰も知らない誰かの痛みが見えるような
ふいに頭の片隅に浮かぶような そんな
鼓膜に寄り添うような 声が聴こえたら
ただ 眺めているだけだった世界が 途端にあざやかに色づいて少しだけ僕に笑った
寂しさがはみ出したままの心を
弱虫だと さげすんでた昨日
そして誰かの痛みを知った今日
大切なものが何かわかったから
もう迷うことはない まっすぐ君の涙に
歩み寄れる そんなやさしい人になりたい
ふいに降り出した雨に差す傘はない
何も知らないままこんなとこまで来たよ
夜明けまえの街並み ぼんやり眺めてた
脳裏に焼きついたような 記憶という名の 思い出を 雨は丁寧に濡らす
ささやかな 暮らしの中に 少しだけ 灯る幸せ
そっと語りかけるように ささやく
僕を包み込むすべてに感謝できるかな
そして憎しみを 愛しさに変えられるかな
守るべきもの 愛すべき人
ひとつひとつ 数えてみたら 僕にもこんなにたくさんの宝物がある それは僕の持ってる優しさのひとかけら
水面に浮かぶ小さな光
それは何かの兆しのように 巡る季節をあるべき場所へ返すよ
寂しさがはみ出したままの心を
弱虫だと さげすんでた昨日
そして誰かの痛みを知った今日
大切なものが何かわかったから
もう迷うことはない まっすぐ君の涙に
歩み寄れる そんなやさしい人になりたい
誰かの痛みを 自分の痛みのように思える
そんな やさしい人になるよ。