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[186367] 泣けない人のぶんまで

詩人:どるとる


泣けない君のために僕が泣いてあげるよ
たとえば君が傷つき肩を落とす日には
ありふれた言葉で君を笑わせてみせるよ

人の涙を見ても 鼻で笑うような世の中で
せめて僕だけは 君の涙を笑わない
だって自分の涙を笑うことができないように 人の涙もそれと同じだから

泣けない人のぶんまで 僕が代わりに泣いてあげるんだ
数えきれない人の痛みさえ 僕が代わりに引き受けてあげられたらいいのに
それは けして出来ないんだ
誰も人の身になれてもね その人の痛みをじかには感じられない

だから、僕らはせめて 人の痛みをわかったように
泣けない人のぶんまで 泣いている
泣けない人のぶんまで 泣いている

誰にも愛されてないと言う君に言うよ
愛されてないって言うけど本当かなあ
愛していなかったら誰も心配しないよ

親が君を見るまなざしと他人が君を見るまなざし どうしてもすれ違うまなざし
所詮他人と言うけれど その他人も君と同じ気持ちで 同じ痛みを抱えてる

泣けない人のぶんまで 僕が代わりに泣いてあげるんだ
なにが愛がわからずに 自分のお腹を痛めて産んだ我が子さえ愛せない親がいる
だからせめて迷いながらでもいいから
なにが愛なのかを一緒に考えてゆこう

目には見えないのが愛なのに 誰かに重ねて見ているよ
愛を知らないふりしてても誰かを愛している
愛を知らないふりしてても誰かに愛されてる

だから、僕らはせめて 人の痛みをわかったように
泣けない人のぶんまで 泣いている
泣けない人のぶんまで 泣いている

君の痛みを知ることが出来ない僕に出来るのはせいぜいそれだけだ。

2014/09/14 (Sun)
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