詩人:どるとる
この世界は誰もが
顔に見えない仮面をつけているだろう
生きていくためには
傷つかないように
他人に本心を悟られぬように
嘘で心を 隠しているんだろう
悲しいときは 笑ってるふりをして
怒ってるときには
やさしいふりをして
醜い本心を 嘘で覆い隠すのさ
どんな顔してても 嘘が君の顔を
醜くゆがませてるよ 笑顔さえも どこか嘘っぽい
どんな顔してるのか 見せてよ君の心を
本当に知りたいのは その笑顔の下に隠れた すっぴんの心
雨が降ったあとのやけに湿った道路
それによく似た この街に生きる人々
景色を象る 細やかなその輪郭が
ふっと千切れたら ばらばらになる
頼りにならないその場しのぎの優しさ
さも仲良く見える人の間に見える闇
その闇の中浮かぶ刺々しい感情
けして交われない他人との距離感を 無理に埋めないで
どんな顔してても 心だけはいじらずに
化粧するなら 顔だけでいい 心はありのままで
どんな顔しているの? 見えない君の心に
そっと差し伸べられた手は 嘘のない単純な愛であればいいな
なんとなく 人と向き合うたびに
一番先に目がいく 人が見ているもの
僕の心を見透かすようなその瞳は
本当は何も見えてない ただあるがままを見つめればすぐに見失う人の形
だから、まっすぐ 向き合えない 斜にかまえて 声と声だけで会話する時代
どんな顔してても 嘘が君の顔を
醜くゆがませてるよ 笑顔さえも どこか嘘っぽい
どんな顔してるのか 見せてよ君の心を
本当に知りたいのは その笑顔の下に隠れた すっぴんの心
きっと美しいだろう。