詩人:快感じゃがー
「バイバイ。みんな」
昨日のことが もう遠すぎて
遠すぎて
手を振ったのは
いつのこと だっけか
ここまでの 深い悲しみも
ちっぽけな喜びだけでは
埋め立てられない
ああ
辛くて苦しくて切なくて
無意識が言ったんだ
帰ろうって
その後のことは
覚えちゃいないけど
倒れそうな自我を
君は ずっと
手を繋いだまま
励ましてくれたね
ありがとう みんな
取り巻いていた全て
暗い部屋にも
いつかは 光が差すと
信じたけれど
駄目だったよ
永遠より長く 長く 長く
長すぎて
腹を割ったのは
ねえ 君だったっけか
生を受けた日からの
歩いた距離は
思っていたより 短くて
でも 怖かった
糸の上を歩いていた
いつも誰かに支配されてた
[フラッシュバック]
ああ
何だか 余生のようだと
笑っていたけど
本当は まだまだ
半分も過ぎちゃいないよ
何故 一日はこんなにも長く
そして こんなにも 短いんだろう?
言葉に出来なくて
だから もどかしい
当人にしか解らぬ
この痛み
ねえ
どうやったら
人に 分かってもらえるの?
「バイバイ。みんな」
空のオフホワイト に
目が眩んだんだ
それだけ
抱えてゆく 荷物の重さに
心がしぼんだんだ
それだけさ
バイバイ バイバイ
「バイバイ。みんな」
一瞬で 全てが
燃え尽きるなら 本望
カートだって 言ってたでしょう
じわじわ焼かれるのは
もう 後免なんだよ
バイバイ バイバイ
バイバイ バイバイ
痛みは雨 となり
この世界 黒く濡らす
終わらない挽歌 歌い継いでくれ
バイバイ バイバイ バイバイ
バイバイ