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どるとるの部屋  〜 「手」への投 票 〜

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詩人:どるとる


まだこの手は覚えているよ
消えた君との ひとつひとつを
開いたり閉じたりしていると
君がそこにいるみたいで泣きたくなる
たとえば 花が咲き散るように命も同じなら
ただそれを当たり前なことと つめたく笑えればいいのになあ

人はどうしてこんなになくしてしまったものにさえ
恋しさを覚えるの
あるはずもない君のぬくもりがまだ
この手を離さない

過ぎてく夏を遠く見つめてた
はらはらと落ちる葉が一枚
くるくると 回りながら窓をかすめ
季節の変わり目を僕に教えている
たとえば 夢から覚めるように 気づいたんだ
どんなに探してもなくした命は もう二度と見つからないと

君と何度もつないだ手のひらに たくさんの思い出が浮かぶ
涙に濡れたきのう
大切な人との永遠の別れは生々しく

傷になるよ 歩いてく道に立ちふさがる
壁になるよ それでもなぜ僕らは
振り返ってしまうんだろうか
それはきっと刻んできた思い出が どれだけ自分にとって
大切かを知ってるから
マッチ擦るようにかすかなぬくもりに寄り添う

人はどうしてこんなになくしてしまったものにさえ
恋しさを覚えるの
あるはずもない君のぬくもりがまだ
この手を離さない

抱えきれない君への愛がまだ
この手に残ってる。

2014/09/21 (Sun)
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