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詩人:どるとる
何も描かれていない
真っ白な画用紙のような心に
「自分」というものを思うままに描いてみる
描いた自分は 鏡を通して見た僕とは
少しも似てない 想像の域を出ていない
ああ 僕は誰なんだろう
わからない わからないけれど
僕は僕だと 言ってみる
世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ
空っぽの水槽に
見えない魚を泳がせるように
「無いもの」をあるかのように語っている
花瓶が花瓶である為に花を生けるように
人が人である為に人らしく生きる
ああ 滑稽な形をしている
誰もが道化のふりをしながら
嘘を本当と 言っている
青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ
繰り返される 朝と夜の中
繰り返される 朝と夜の中
時計はただ 回り続けて
季節はページをめくるかのように
過ぎ去って行って そして僕は気づくよ
「こうしていること」に意味なんか 何ひとつ無いことを
だからとりあえず運命に弄ばれてみる
世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ
青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ
それがすべてだと 自分にわからせる為に。