詩人:どるとる
日の暮れた部屋の中に君の面影だけが
ゆらゆら 炎みたいに揺れていました
瞳の中に映る いつかの幸せな暮らし
まだ君との思い出 捨てられずに
無理に忘れようと 明るく振る舞ってみたけど
無理してる自分があまりに哀れでたまらなかった
君とよく行った あのなんでもない
土手の道を 一人 歩く夕暮れよ
シロツメクサでつくった下手くそな冠と指輪
覚えているかい?風に消された愛の言葉
楽しい夢の終わりのように 目覚めれば
何もなかったように片づけられた部屋
愛された痕跡や愛した痕跡を探すけど
そんなものは 君の心に置いてきたよ
ため息を何度も飲み込んで噎せるよ
いつの間にか泣いてた 多すぎる思い出に
君と永遠を誓った筈なのに短すぎる
永遠だったなあ そのくせ濃密なる日々
日が落ちてく 土手の道にも夜が来て
肌を冷やす風が吹く もう帰る時間さ
君と寄り添って 指折り数えた星が
ほら今日はこんなにたくさん出ているよ
君が見たら 悔しがるかなあ そんな事を考えたらまた 雨が降り出した
君とよく行った あのなんでもない
土手の道を 一人 歩く夕暮れよ
シロツメクサでつくった下手くそな冠と指輪
覚えているかい?風に消された愛の言葉
「愛している」
君には聞こえたかなあ
ほんのひと時だったけど僕は君を
幸せに出来たかなあ。