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[186662] 春を待つ花

詩人:どるとる


どうして 白く染めてしまうの
積み重ねた思い出までも
いつかはさよならする為の出会い
それはまるで雪のようだね
固く閉じた蕾たちは
あたたかい季節を待っている
遠くで僕らを待ちわびている
春は冬に埋もれて今はまだ見えない

そのせつなさを そのかなしみを
すべて白く染めてしまう
ささやかな魔法 負ったはずの傷跡さえも今だけは見えないよ

君はすこしだけ 足を止めて
空を見上げて目を閉じた
冬の寒さの中で飛べない鳥は
抱き合いながら冬を越すよ
遊び疲れた子供たちは
眠りの中でもまだ遊んでる
ほの明るい暖炉の前で
あたたまる僕らには寒さも愛しい

忘れがたい場面や 旅の疲れを
すべてひとつに束ねて
思い出と呼ぼうか やがて雪は解けて 冬終わるとき花が咲く

たとえばこんな 季節に名前をつけるなら
なんだろう 僕はいつも言葉に出来ずに
美しい景色の前に 小さくたたずむんだ

そのせつなさを そのかなしみを
すべて白く染めてしまう
ささやかな魔法 負ったはずの傷跡さえも今だけは見えないよ

忘れがたい場面や 旅の疲れを
すべてひとつに束ねて
思い出と呼ぼうか やがて雪は解けて 冬終わるとき花が咲く

今はまだ夢うつつの中 やがて長い夢から覚める君は 一輪の春を待つ花。

2014/10/25 (Sat)
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