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詩人:山鳩
哀しみが引き潮のように
次第にこころの片隅から
消えうせようとしている
不思議にも別れた後で
僕にとっての君の存在が
客観的に見れるものであることに気付いた
皮肉なもので
一緒にいる時には
多面的な見方などできるはずもなく
それ自体が魅力の虜になっていた
ある種の恍惚状態であったかもしれない
ずっとこころの片隅で淀んでいた
長年のしこりのようなものが
いま打ち砕かれたような気がする
君が去りここに残していったもの
よみがえる君の言葉の数々から
多くのことを僕は学んだ
それらはすべてこれからの
僕のこころの浄化に
作用している