詩人:さみだれ
蝶は言った
絶望ってどんなもの?と
ある花の
生まれたての種子が
車に潰されたり
土のない地へ飛ばされたり
そうして太陽が照りつけ
小さな旅の走馬灯の終わりに見る夢
その反対だよ
蝶は言った
どこまで行けばいいの?と
どこに行かなくてもいいし
どこに行ったっていい
命がある限り
それは君の自由だ
ある花は行った
別の空が見たい、と
子供たちはスコップで花を掬った
それをバケツにいれて
町中駆けずり回った
帰ってくるなり庭に出て
花をプランターに植えた
蝶は言った
悲しいね、と
ある花は応えた
そうでもないよ、と
私は添えた
生きると言うことは、