詩人:あいく
こんな夢をみた
同僚に誘われ
廓に行った
同僚の遊び代も
わたしの懐から
出してやったのだが
わたしは何故か
女も買わずに
懐手し座り込み
ただ遊女が一心に
カツ丼を口に運ぶ
その様ばかりを
眺めていた
腰の脇差に
肘を擦りながら
人の飯を食うのを
見ているのも
中々に楽しい
などと思いながら
いつしか目がさめた
夢を思い返し
夢の中でどれほどに
大枚叩いたところで
現の懐が痛む訳もなし
遊んで居れば良いものを
そう思いながらも
大して後悔にも思わず
寧ろ愉快に思い
取り合えず寝起きの
元気は今日も変わらず
元気で居てくれたので
それでいいかと
体を起こした。。。