詩人:どるとる
この夜は ただ道の上に闇を背負っている
路地裏の小さな空き地で見つけたよいつかの忘れた光
僕たちは いつも人の幸せを願いながら
自分の幸せも願ってる
それは悪いことじゃない
なくしたものを指折り数えるよりも
手に入れたものや残された日々を思おう
目を閉じたときに少しだけ見えるもの
耳をすましてつかまえる君が生きている音
それはひとつひとつ違う色と形で
いたるところに咲いてる
それを幸せと名付けましょう
痛みは消えないよ 帰らない人を残す
それでもまだ僕には向かうべき明日がある
僕の声は積み重なってやがて夜空に輝くひとつの星になって
ありふれた気持ちのそばでそっと僕が気づくのを待ってる
それはまるで 深い土の中で 息をひそめる
時の中で だんだんと化石になった
アンモナイトのよう
僕たちの中で 少しずつ形になる
わずか百年ほどのはかない命を縁取るみたいに
言葉にもならないほどうれしかったから
悲しかったから まだ生きている
きのうのようにまたいつかみたいに 笑ったり泣いたりしたいから
たったひとりのあなたを愛したいから
たったひとりのあなたに愛されたいから。