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高級スプーンの部屋  〜 「水色の砂」への投 票 〜

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[77728] 水色の砂

詩人:高級スプーン

部屋一面に広がる
水色の砂
床もテーブルも
埋もれてもう見えない
お気に入りだった
ポスターも
頭の方しか見えなくて
天井が目の前にある
時計は真横に
座ろうにも座れず
寝転がるしかない

寝るにも飽きた
お腹も空いた
大声で叫べば
誰か助けに
来てくれるだろうか
外側からなら
開けられる
鍵が掛かっているけれど

開けた瞬間
外に砂崩(ナダレ)る
親か友達か
はたまた救助に来た人か
飲み込まれてしまわないか
心配するのか
してないか
砂に飲まれて
死ぬかもしれない
死なないか

少し
少しずつ
砂のかさが増している
このまま僕は
埋もれて死ぬのか
いやそれはない
保障はないのに
そう思った

心は幻
それでも
砂に触れられる
今だって
砂に触れている
水色の砂
片手ですくう
触ると
さらさらしていて
冷たくて
気持ちがいい
こんな状況なのに
何を考えているんだろう

天井に鼻がつきそうだ
急に恐ろしくなって
思わず
起き上がろうとして
鈍い音が
狭くなった部屋に響く
こんな状況なのに
何をやっているんだろう
このまま僕は
埋もれて死ぬのか
いやそれはない
保障はないのに
保障はないのに

心は幻
夢偽りならいいが
水色の部屋
それでも
砂に触れられる
今だって
砂に埋もれてる
水色の部屋
大声で叫べば
誰か
助けてくれるだろうか
外側からなら
開けられる
鍵が掛かっているけれど

2006/06/14 (Wed)
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