詩人:月水奈 鏡桂
「夢を持つ薬を下さい。」
そう、言われても私にはどうすることもできない。
夢を持つことは、自分自身の気持ちだから・・・。
「友達を作れる薬を下さい。」
そんなことを言われても、私にはどうすることもできない。
友達を作ることは、自分自身の気持ち次第だから・・・。
薬、薬、薬・・・。
私にそんなに薬を求めても、何も出てこない。
大切な人を思うことも自分・・・
人と話すことも自分・・・
音を聞くのも自分・・・
感覚をつかむのも自分・・・
全て、自分次第・・・
私に薬を求めても、私はただのきっかけを与えているだけ・・・。
私は、ただの薬屋。
だけど、これだけは言える。
「夢を持つことも、友達を思うことも、全ての自分自身だから・・・。
決して、薬ではない。」