詩人:槊哉
この腐敗した世界には
不浄な感情が溢れ
本来の姿を取り戻した
理性も罪悪も無い
無法地帯
人の心を持たぬ
不浄な果実を手にした
人間《にんぎょう》
その不浄な果実が
心を無くさせたのか?
元々 心を持たぬのか…?
黄金の果実を手にした
人間の末路
それは
この世で一番 美しい終焉
光に誘われる蛾のように
人間が わらわらと
その果実に群がり
夢の世界へと誘われる
それは どんな夢?
まるで楽園のよう
甘美な匂い
歓喜に狂い
快楽に耽る
それが
幻だと気付くのは
いつのことでしょう...
本当は 倒錯された
口に出すのも悍ましい
その行為に
人間は 夢中になる
聞こえるのは
人々の悲鳴
人々の悦び
人々の醜悪な心の声
人間たちの愚かなる宴に
ほくそ笑みながら
それを肴に
今日も神々は 酒を酌み交わす