詩人:TbLK
悪を見る。
悪はそこにいる。
悪は振り返る。
悪は笑ってる。
僕は、目をそらす。
回りには、誰もいない。
もう一度見ると、
ずっと、こっちを見ている。
悪は歩いてくる。
僕は「こないで!」と叫ぶ。
悪は動じない。
悪は話し始めた。
「君は、悪を求めてる。」
僕は「違う!」と即答する。
悪は近づいてくる。
止まってくれない。
「やめて!!」
悪は止まらない。
僕の息が速くなる。
悪は僕の、すぐそばで立ち止まる。
悪には、大きな不安と、
静かな温もりがあった。
悪には、確かな安心もあった。
悪は話す。
「大丈夫だよ。」
僕は
僕は
たずねた。
「悪は必要なの…?」
悪は、静かに
うなずく………