詩人:是清。
其の町は染まる
赤く染まる
迫る
愛すべき貴方の 哀しみに委ねるわ
涙は虚しさ助長して
一切を拒否するモノだから。
与えられたモノだけで、
呼吸さえ出来ない 不完全な生物。
嫌い乍らも 何処かで似た影探してゐる
不覚にも 引き分けに終わつた此の遊戯
「長からむ心も知らず故郷は」
唯有明に映る 朽ちる筈の 未だ見ぬ街
「振り返るは過去の」
「落つるは白露」
「唯懐かしい君が為」
惜しくない命も但
此の地に埋まる
不安煽る変らない灰色の空
廻る
落ちる
下らない他人の街へ。
2004/06/01 (Tue)